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wangsihei
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2015年05月15日

普段の耕助は

ベランダで飼うつもりだったから、 餌場は ベランダに決まっていた。
 毎日、 家族の誰かしらが刈ってくる 大量の草が、 どさりとベランダに置かれると、
 ウサギの耕助は バリバリと食べた。
 草の山に潜るようにして、 真っ先に 好物のタンポポからがっつく。
 トイレもベランダだ。
 食器用の洗いかごをトイレにした。
 ウンコは 網の目に引っ掛かり、 オシッコだけが下に墜ちる仕掛けだ。

 ウンコは 家の中でしてしまうこともあるが、
 オシッコだけは 必ず トイレでする。
 たまたま 途中に障害物があっても、 がむしゃらに乗り越えてトイレに行く。
 吃驚するような 大きな障害物でも、 なんのそのである。
 ものすごい ジャンプ力 である。

 普段の耕助は、 部屋の中で、 トッテン パッタンと悠長に暮らしていて、
 亀と競争したら、 確実に負けるわこりゃ、 という子なのに、
 トイレに行く時ばかりは、 ウサギの底力 を見せつけるのであった。

 ウンコは コロコロとしていて、 汚れも付かず、 匂いもほとんどないので、
 見つけたら 拾って捨てれば なんということもないが、
 オシッコは なかなかに臭い。
 家の中でされたら 大変なことになっていたと思うので、 この習性はおおいに助かった。
 排泄した後は、 自分で お尻をきれいに舐めるので、 きれいなものだ。
 耕助のお尻は きれいになるが、
 その後、 いつも 吾輩の顔を舐めに来るのには閉口した。
「今、尻を舐めただろ! 待て!! こらあ~!!!」
 抗議しても 受け入れることはない。

 トイレや餌で家の中が汚れないと分かったので、 安心して 家の中で遊ばせるようになった。
 トイレと餌以外は、 人間と一緒にいることが多くなった。

 そんな時、 「ただいま」と玄関から入ると、 奥の方から走ってきて飛びついてくる。
 そして、 吾輩の顔を舐める。
 うれしい。
 ウサギが こんなに人間に懐くものだとは思っていなかったので、 うれしい驚きである。
 ただし、 その直前に お尻を舐めていたかもしれない。
 たぶん、 舐めていた。

 充分 我が家に懐いて、 逃げ出すことはない と判断したのだろう。
 母親は、 暇な時に、 耕助を散歩させる ということを始めた。
 昼間、 人の出入りが少ない時間帯、 マンションの自宅がある階の廊下だけである。
 トッテン、パッタン、と端っこまで行き、 戻ってくるだけだが、
 両者にとって、 良い気晴らしになるようだった。

 一応 ペット禁止になっているはずだ。
 見られたらまずいのではないかと思うが、
 めったに他の住人とは顔を合わせないからと、 母は気にしなかった。
 そこで、 吾輩も真似をした。

 5~6軒先に、 玄関前に植木鉢を置いている家があった。
 きれいに手入れされた植木だ。
 耕助は、 生鮮食品めっけ!  とばかりに 喰いついた。
 あわてて引きはがしたが、 葉っぱが 少し減ってしまった。
 まずい!
 帰ることにした。

Posted by wangsihei at 13:04 │Comments( 0 )
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